チャイコフスキーの並行聴き (静岡 ワイン)
チャイコフスキーの並行聴き
私のクラシック音楽の楽しみ方はワイン用語でいう並行、垂直聴きです。
今回はピアノ・コンチェルトの名曲チャイコフスキーの第1番を気ままに並行。

数十年前にNHK-FMでトスカニーニ指揮、ホロヴィッツのピアノで聴いた。
ホロヴィッツはトスカニーニの娘婿である。
この演奏には正直、涙が無くなるまで感動した。
ですから、CDを購入。
颯爽とアレグロというよりプレスト的な第1と終楽章。
当時技巧派のホロヴィッツと筋骨逞しいNBCシンフォニーの駆け引き。
お互いが一歩も引かない状態にハラハラした。
ですから、聴き手は心底から緊張する。
徹底的に鍛え抜かれたNBCシンフォニーはトスカニーニの無茶な要求に答え素晴らしかった。
そして、時代は進み。
若きキーシンとカラヤン。
20歳に満たないキーシンと、この共演の7ヶ月後に死去するカラヤン。
若手のピアニストと老指揮者の演奏。
まったくホロヴィッツの演奏とは違い、とても遅いテンポ。
カラヤンはこの作品を研究し到達したのが、あのテンポ。
キーシンは何度もテンポを上げようとしましたが、カラヤンに制されたと言う。
これは経験豊かなカラヤンに軍配が上がる。
そのテンポが、
老カラヤンが若きキーシンを包み込んでいるように感じさせる。
ですから逆にトスカニーニとホロヴィッツの演奏がとても色褪せて感じる。
悲しいかな。名人芸かサーカスのようにも感じてしまう。
いやいや、そのように感じるのは間違いなのかもしれない。
ここに録音の限界があるのだ。
会場で聴いていたら、全く違う感動があったのであろう。
モノラル録音は単なる記録でしかないのかも。
カラヤンとベルリン・フィルはこれが最後の共演となりますが、
細部まで神経の行き届いた素晴らしい音色。
特に弦楽器の素晴らしいこと、素晴らしいこと。
そして、その時のコンマスは日本人の安永氏である。
カラヤンはコンチェルトの演奏をする時はなかなかいい。
ソロ楽器との駆け引きや同調するときは天才的ですらある。
時代に関わらず名演は存在する。
しかし、時代に取り残される演奏もある。
ですが、その時代の空気を感じて鑑賞すると時代時代を面白く感じます。
クライスラーの弾くヴァイオリンはポルタメントを多様し古臭く感じる。
それが時代である。
是非、クラシック音楽の並行、垂直聴きにトライして下さい。
★ ホロヴィッツ ピアノ
トスカニーニ
NBC交響楽団
1941年録音
★ キーシン
カラヤン
ベルリン・フィル
1988年ライブ録音
私のクラシック音楽の楽しみ方はワイン用語でいう並行、垂直聴きです。
今回はピアノ・コンチェルトの名曲チャイコフスキーの第1番を気ままに並行。

数十年前にNHK-FMでトスカニーニ指揮、ホロヴィッツのピアノで聴いた。
ホロヴィッツはトスカニーニの娘婿である。
この演奏には正直、涙が無くなるまで感動した。
ですから、CDを購入。
颯爽とアレグロというよりプレスト的な第1と終楽章。
当時技巧派のホロヴィッツと筋骨逞しいNBCシンフォニーの駆け引き。
お互いが一歩も引かない状態にハラハラした。
ですから、聴き手は心底から緊張する。
徹底的に鍛え抜かれたNBCシンフォニーはトスカニーニの無茶な要求に答え素晴らしかった。
そして、時代は進み。
若きキーシンとカラヤン。
20歳に満たないキーシンと、この共演の7ヶ月後に死去するカラヤン。
若手のピアニストと老指揮者の演奏。
まったくホロヴィッツの演奏とは違い、とても遅いテンポ。
カラヤンはこの作品を研究し到達したのが、あのテンポ。
キーシンは何度もテンポを上げようとしましたが、カラヤンに制されたと言う。
これは経験豊かなカラヤンに軍配が上がる。
そのテンポが、
老カラヤンが若きキーシンを包み込んでいるように感じさせる。
ですから逆にトスカニーニとホロヴィッツの演奏がとても色褪せて感じる。
悲しいかな。名人芸かサーカスのようにも感じてしまう。
いやいや、そのように感じるのは間違いなのかもしれない。
ここに録音の限界があるのだ。
会場で聴いていたら、全く違う感動があったのであろう。
モノラル録音は単なる記録でしかないのかも。
カラヤンとベルリン・フィルはこれが最後の共演となりますが、
細部まで神経の行き届いた素晴らしい音色。
特に弦楽器の素晴らしいこと、素晴らしいこと。
そして、その時のコンマスは日本人の安永氏である。
カラヤンはコンチェルトの演奏をする時はなかなかいい。
ソロ楽器との駆け引きや同調するときは天才的ですらある。
時代に関わらず名演は存在する。
しかし、時代に取り残される演奏もある。
ですが、その時代の空気を感じて鑑賞すると時代時代を面白く感じます。
クライスラーの弾くヴァイオリンはポルタメントを多様し古臭く感じる。
それが時代である。
是非、クラシック音楽の並行、垂直聴きにトライして下さい。
★ ホロヴィッツ ピアノ
トスカニーニ
NBC交響楽団
1941年録音
★ キーシン
カラヤン
ベルリン・フィル
1988年ライブ録音
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